中堅アーティストを対象に、受賞から2年にわたる継続的支援によって、更なる飛躍を促すことを目的に、東京都とトーキョーアーツアンドスペースが2018年度から実施している新たな現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」。第1回となる「TCAA 2019-2021」受賞者の風間サチコ、下道基行による展覧会を開催します。

本展では、受賞者2名の初期作品から最新作までを展示します。

風間サチコの展覧会タイトルで、最新作シリーズとなる「Magic Mountain」は、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延する中、ドイツの作家トーマス・マンの『魔の山』から着想を得た、内省による対立からの脱却がテーマとなっています。また、これに関連した、大作を含む過去作品をあわせて展示し、作家の思考の変遷を提示します。

下道基行は、プロジェクトを通じて、作家以外の人の思考が加わったり、人の手に渡る、あるいは人々の中で使われたりすることで「作品」との境界を越境するようなシリーズを展示します。日常生活と直接的に関わることで生み出される作品により、そのはざまにある何かを浮かび上がらせることを試みます。

風間サチコ《ヴァルハラ》2019 Courtesy of Kurobe City Art Museum 撮影:柳原良平

風間サチコ《人外交差点》2013 Courtesy of Mori Art Museum、Queensland Art Gallery | Gallery of Modern Art蔵 撮影:渡邉 修

下道基行《漂泊之碑》2015‐

下道基行《瀬戸内「百年観光」資料館》2020